瓶詰めの青

零したり詰めたり

青は遠い色。

谷川俊太郎『青』


夢の話の続きをしよう。

証言が二転三転するが、私は青い夢を一度だけ見たことがあった。1年ほど前のことだったと思う。その時私はおそらく起きていたから、正しくは夢と言えないかもしれない。しかし私はあれを現実と思いたくない。

その時私は例によって涙を流していて(かなりどうでもいいが私はひとりだとわりとよく泣く。ひとりになってはじめて泣く自由を得られるので、少し嬉しかったりもする)、しかし普段よりも気分の落ち込みが酷く、起きて泣いて眠るのサイクルを繰り返していた。そして何度目か目覚めた時に、目の前が青く見えたのだ。実際には青く見える要素が何もないのだから、青くはなかったのだが、私はその時目の前の青を感じた。そしてただ漠然と「幸福だ」と思った。ひとりきりでただ幸福感だけを噛み締められた。あれほど満たされた感覚を得られたのはあれ以来ない。もう二度と訪れないのかもしれない。


錯覚の中の幸福は青色をしていた。
だから私は、夢は青色であれと空想するのだ。

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